
養生生活~冬の養生編~
寒い冬、動物も植物もじっと耐えて春がくるのを待つ季節。
もちろん人間も同じで、冬は無理やり活動するのではなく、ゆっくり、のんびり力を蓄えるように生活すると負担が少なくなります。
冬養生の基本は「頑張らない」
人間も自然のひとつ。
どんなに便利な生活になったとしても、やはり自然に逆らった生活をしていると途端に身体に不調がでてきます。
寒さが厳しくなる前の今からしっかりと養生をしておけば、春の花粉症対策にもなるんですよ!
では どんな生活をこころがけ、どんな食事をとればいいのか詳しく見ていきましょう。
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冬は1年でもっとも疲れが出やすい時期
冬は1年で最も寒く、一年間の気候の変化によって疲れが出てくるときです。
気温が下がり、天気も曇りがち。気分もなんとなく重い感じがする時。
それは自然界に「陰」が増加するため。少なからず人間もその影響を受けています。
寒さから体が縮こまり、毛細血管が収縮し、血の巡りが悪くなります。そのため冷えや痛み(頭痛・月経痛・腰痛など)も起こりやすくなります。
冬の養生ポイント
①夜は早く寝て、朝は少しだけゆっくり起きる。日が昇ってから起きるくらいでちょうどよい。
②汗をかくような激しい運動は控えて、のんびりお散歩程度の軽い運動を心がける
③欲を慎み、置かれている環境に甘んじて楽しく穏やかに暮らす (ねこ先生トト・ノエルに教わる ゆるゆる健康法より)
冷えが一番の大敵になるので、3首(首・手首・足首)はかならず防寒をし、寒邪や風邪から身を守るように心がけましょう。
腹巻きなどでおなかと腰まわりを温めるのも良いです。
※ただし、乾燥肌の人は化繊でできた吸湿発熱たいぷの保温効果が高い下着(ヒート〇ックなど)は乾燥を促進させ、乾燥からくる痒みの原因になりますので、就寝時など長時間の着用は控えたほうが良いです。できれば綿100%の衣類が乾燥を防ぎます。
冬の鍋で体を元気に!
冬になるとあったかいお鍋がおいしい季節です。
鍋はさまざまな食材を一度に食べれて、しかも体を温め、脾胃にも負担が少ないまさに冬にぴったりの料理。
冬には 腎 を補う食材をとるように心がけましょう。
温熱性で腎を温める(補陽)のものや、腎陰を養う(滋陰)働きのある食材をとりましょう。
○腎の陰液を増やす(滋陰)のもの
白きくらげ・黒ゴマ・黒豆・ナツメ・クコの実・アワビ・カモ肉・豚肉・スッポン・牡蠣・ナマコなど
○腎陽を補い体を温める(補陽)のもの
エビ(干しエビ・サクラエビ)・クルミ・羊肉・ニラ・八角・酒など
○温熱性のもの
もち米・鶏肉・豚レバー・ナマコ・太刀魚・コリアンダー(パクチー)・ねぎ・ニンニク・しょうが・コショウ・ヨモギの葉・玉ねぎ・かぼちゃ・アンズ・クリ・黒砂糖・酒・黒酢など
冬の乾燥は食べ物で潤い補給
冬は風が強く乾燥します。寒さで汗腺が閉じ汗がかきにくいので水分を直接飲むよりも、身体を潤す作用のある食べ物で潤い補給をして乾燥対策をしましょう。
○体を潤す食材
豆腐・豆乳・山芋・里芋・れんこん・白きくらげ・ハマグリ・ユリ根・ごま・梨・豚肉など
豆乳鍋や湯豆腐などに野菜とお肉をたっぷり加えて食べましょう。
※市販の「鍋の元」は味付けが濃いので、できれば昆布やシイタケ、干し貝柱など天然素材でとった出汁に酒・みりん・薄口しょうゆを加えたシンプルな出汁で食べると脾胃に優しい鍋になります。
味付けの濃いものに慣れてしまうとどんどん味覚が鈍感になるので、たまにはシンプルで食材の味を楽しむ食事をとり、舌をリセットしてあげましょう。
薄味で満足できるようになると、自然と食べ過ぎることもなくなり、体にも優しくダイエットにも効果がでてきます。
血の巡りを良くして冷え症改善
寒邪の影響で、血のめぐりが悪くなり冷えが悪化する時期でもあります。
血の巡りをよくする(活血)、気の巡りをよくする(理気)の食材を取り、身体の中から冷えを防ぎましょう。
活血の食材:サンザシ・黒豆・ニラ・サフラン・ベニバナ・当帰・黒酢・アジ・イワシ・鮭など
理気の食材:サンザシ・シソ・ニラ・みかん・グレープフルーツ・陳皮・マイカイカなど
サンザシはあまりなじみがない食材ですが、薬膳茶などを扱っているお店や中華食材のお店などに置いてありますよ。
通販でもすぐ手に入ります。
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養生生活~番外編~ 薬膳茶とは でも紹介していますが、紅茶にサンザシを加えた「サンザシ紅茶」は体を温め気血の巡りをよくしてくれるので、冬にはぴったりです。
とにかく冬は がんばりすぎない こと。
特に年末は何かと気忙しく、忘年会・クリスマスなどイベントも多く、ついつい食べ過ぎたり無理をしたりしてしまいがち。
食べ過ぎた~。がんばりすぎた~。とおもったら、せめてお休みの日は半日でもいいので、ゆっくりのんびりすごして体を労わってあげてくださいね。
春に元気に過ごすためにも、冬の間に体を整えておきましょう。
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